【活用事例】オークション落札商品のキャンセル

【活用事例】オークション落札商品のキャンセル

海外との壁はコトバだけではなかったりするんですよね。

文化や環境はもちろん、現地人の温度感や商習慣の違い、はたまた心理的な負担など、数多くの壁が存在します。

 

それらが顕著に表れた事例を一つご紹介したいと思います。

 

落札商品をキャンセルしたい

商用でアメリカのオンラインオークションで落札した商品をキャンセルしたいとのこと。(落札後はキャンセル不可であるルールをわかった上で、ダメ元でもいいから打診して欲しいというご依頼でした)

当然セラー側の回答は不可。メール上では散々やり取りしていて、揉めに揉めているという状況です。 

クライアントさんにキャンセル意向の理由を伺ったところ、「日本への配送にあたり法外な送料を請求され、納得ができないから」とのことでした。さらにやり取りの中で対応が怪しいと感じるようになり、セラーは不当な会社だからこの取引は無効だという主張です。

商品はオフィスチェアサイズほどのオブジェでした。確かにかなりの送料がかかりそうです。ただクライアントさんによると、「重量的にそこそこ高いのはわかってるが、いくらなんでも高すぎる。法外だ!」とのこと。

 

セラーの言い分

早速セラーに電話をかけ、詳しく話を聞いてみました。こちらはこちらで困惑している様子。

言い分としては、

  • 送料は法外でもないし大手業者の正規料金
  • クライアントさんの要望に沿った配送形態を選んだだけ
  • 希望通りの送料でないとキャンセルというのは非常に困る
  • 国際配送は普段行っていない。今回だけ特別に対応している

 といった感じでした。

詳細を確認させてもらった上で、今度はクライアントさんにヒアリングを行いました。

 

ボタンの掛け違い

そこでようやく状況が見えてきました。

  • 重くデリケートなものなので、クライアントさんは安心安全かつ速いサービスを希望されていました。日本の郵便局のEMSのようなイメージで依頼されていた模様。
  • それを受けてセラー側は現地で該当するサービスでアレンジ。それが日本のEMSの価格感とはあまりにも開きがありすぎた。
  • アメリカの郵便局にもEMSはありますが、今回は規定重量オーバーのため利用ができなかった。そのため別の民間業者を使用していた。(民間業者の方がはるかに高い)
  • 日本の郵便局とアメリカの民間業者と比べると、プランによっては送料が2〜3倍程度の開きが出ることはごく普通。
  • 通常、国際送料算定の基準となるのは実重量ではなく容積重量。その点も両者把握されておらず、実重量に対し高すぎるという印象を持ってしまった。また海外配送に不慣れなセラー側もその辺をきちんと把握していなかった。

 

まとめると、アメリカの普通と、日本の普通が違い過ぎて、お互い理解ができないという状況になってしまったようです。

さらに不慣れな状況もあり、やり取りにボタンの掛け違いが発生してしまったことが原因でした。

クライアントさんからすれば、そのズレが続いたことでセラーに対する不信感が募り、外国人を騙して送料をぼったくる悪徳業者のように見えてしまったのかと思います。

 

国際配送についてクライアントさんにしっかり説明できる知識がなかっただけで、至極真っ当な会社でした。

 

クライアントさんには事情を説明し、問題ないことを理解いただいた上でキャンセルを撤回されました。無事取引継続することに。

送料についてはサービスのランクを下げ、比較的安い方法でアレンジする形でクローズしました。

 

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